今週、サンフランシスコで開催した第 3 回 OpenAI DevDay が幕を閉じました。過去最大規模となった今回のイベントは、社内のさまざまな人たちの尽力によって実現しました。そして DevDay が近づくにつれ、会話の中で何度も聞かれたのが、「Codex がなければ、これはできなかった」という言葉でした。
今年は、Codex とともに迎える初めての DevDay でした。ステージ上のデモ(Codex 以外のデモも含みます)から、コミュニティホールのアーケードゲーム機、そしてプロダクトそのものまで、私たちは開発のあらゆる場面で Codex を使いました。Codex は DevDay 2025 をつくり上げるうえで重要な役割を果たしました。
時間の節約、問題解決、複数の作業の並行処理、優先順位付け、整理に Codex がどう役立ったのか、舞台裏の事例をいくつかご紹介します。
カメラの制御と会場照明用 MCP の構築
まずは、最もわかりやすいプロジェクトからご紹介します。Romain Huet による基調講演の Codex デモです。見逃した方は、こちらでご覧いただけます。
Romain が話したとおり、このデモでお見せしたものは、ベースに使った私たちの Realtime エージェントのスターターアプリを除き、すべて Codex が構築しました。
このデモの出発点は、Realtime が客席のカメラや照明を制御する様子を見せたい、というアイデアでした。しかし、Romain がプロジェクトを掘り下げていくと、カメラと照明をプログラムから制御するという課題に直面しました。
Codex は、VISCA プロトコル(なんと 1990 年代初頭のプロトコルです!)を使ってネットワーク対応カメラを制御する方法を見つけ、プロトコル全体を独力で実装しました。さらに、照明の制御プロトコルを扱う MCP サーバーまで構築しました。
Codex CLI を使うことで、Romain はこの 2 つの課題を並行して進め、キーボードに触れることなく、午後のうちに最初のバージョンを動かすことができました。本来なら長時間の調査と試行錯誤が必要だった作業を省けたのです。
ビートを奏でるデモ
DevDay での大きな発表の 1 つが、ChatGPT 内で直接リッチなアプリ体験を構築できる Apps SDK でした。Katia Gil Guzman が Developer State of the Union で披露するデモでは、Codex が Romain のために構築した照明用 MCP サーバーを活用し、表現力豊かなビートパッドのインターフェースをつくることにしました。
そのためには、見た目がよいだけでなく、実際に機能するインターフェースが必要でした。照明用 MCP サーバーへの接続を処理して照明を制御し、さまざまな楽器の音を演奏できるようにすることも含まれていました。
Codex Cloud と best-of-N のおかげで、Katia は動くアプリを素早くつくれただけでなく、複数の異なるデザインを並行して改良できました。未来的でモダンな見た目から、OpenAI DevDay のブランドをより強く打ち出した UI まで幅広く試し、さまざまな機能も試作しました。そのすべてを、時間や労力を無駄にすることなく進められたのです。

複数のゲームの並行開発
DevDay の会場の廊下を歩いた方は、ArcadeGPT を見かけたかもしれません。GPT-5 を使って既存のゲームをリミックスし、自分だけのゲームにカスタマイズできる 2 台のアーケード筐体です。
Kevin Whinnery が基盤の構築に取りかかったとき、GPT-5 がリミックスする元となる、さまざまなゲームが必要でした。しかも、すぐに必要だったのです。素早く作成して改良するために、彼はなんと 7 つものターミナルを開き、それぞれで Codex CLI を起動して、単一ファイルで完結する Phaser ゲームを 1 本ずつ実装させました。
Codex CLI のおかげで、それぞれのゲームの改良を非同期で進めながら、すべてを同時にテストできました。こうして参加者に、遊んだりリミックスしたりできる多彩なゲームを提供できたのです。



デモアプリの再構築
私自身、DevDay に向けたほぼすべての作業で Codex を使っていました。Codex に感謝した瞬間をすべて挙げるのは難しいのですが、特に印象に残っていることが 1 つあります。
私はオープンモデルについての講演に向けてファインチューニングのデモを準備しており、すべて Streamlit でつくっていました。しかし、その Streamlit アプリは複雑で、聴衆にはわかりにくく、簡単には直せない動作上のバグもありました。そこで、スクリーンショットを何枚か撮り、v0 で初期デザインを手早く作成しました。その後、Next.js のモックアプリをダウンロードし、Codex IDE 拡張機能に作業を任せました。
Streamlit アプリと同じ処理を行う FastAPI サーバーを作成し、Next.js のフロントエンドにつなぐよう依頼しました。タスクを送って昼食に出かけ、戻ってくると、アプリはすべて実装され、動作していました。そこからさらに、デモをわかりやすく説明するためのページを追加する作業も Codex に任せられました。
Codex がなければ、このデモは絶対に間に合わなかったでしょう。

アイデアの実現
Erika Kettleson は、Codex IDE 拡張機能を使ってブースのデモ全体を実現し、時間を節約できました。まずスケッチを Codex に渡して初期 UI を作成し、さらに、速度と品質のバランスを考慮しながら SVG 生成に最適なモデルを選ぶための評価も Codex に作成させました。また、Codex は、デモにシングルエージェントとマルチエージェントのどちらのアーキテクチャを採用するか、それぞれの利点と欠点を Erika が評価するのを支援しました。その後、コードベース全体をリファクタリングして、シングルエージェントのアーキテクチャに移行しました。
すべての構築が終わると、Codex は詳細な Mermaid 図も作成しました。Erika はその図を使い、ブースを訪れた人たちにアプリの仕組みを説明しました。


大規模なレビュー
AgentKit の発表の一環として、Python と TypeScript 向けの新しいガードレール SDK をリリースしました。これらの SDK は、Python と TypeScript 向けの Agents SDK や Agent Builder と連携するように設計されています。開発者が快適に SDK を使えるようにするため、Kazuhiro(Kaz)Sera がプロジェクトに加わり、完成に向けた最後の仕上げを支援しました。
彼は Codex を使って 2 つの SDK のコードベースを素早く把握し、自分と Codex が見つけたバグのいくつかについて根本原因を特定しました。そして、Codex CLI と IDE 拡張機能で修正し、Codex のコードレビューで残っているバグを洗い出しました。
Codex のおかげで、彼はこれらの作業をすべて進めてチームの SDK リリースを支援しながら、同じツールを使って、同日に公開した ChatKit のサンプルアプリも磨き上げることができました。
複数プロジェクトの同時進行
DevDay が近づくにつれ、私たちの多くが同時に抱えるプロジェクトの数も増えていきました。Codex を使えば、IDE 拡張機能や CLI からローカル環境のタスクとクラウドタスクの両方を任せ、複数の作業を一度に進めることができました。
完全に独立したタスクを 3〜4 件同時に実行することも珍しくありませんでした。たとえば私は、gpt-oss サーバーへの Jupyter ノートブック対応の追加、エージェントデモのリファクタリングとバグ修正、Codex ドキュメントの一部の構成変更、ファインチューニング実行のデバッグを、同時に Codex に任せていました。
私たち自身が素早く作業を切り替えられるよう、プロンプトを入念に練ることにはあまり時間をかけませんでした。代わりに、短い文で問題を Codex に説明してタスクを送り、すぐ次の作業に移り、後から戻って Codex の進捗を確認していました。ちょっと席を外すときにも、立ち上がる前に「もう 1 件だけ Codex にタスクを送っておこう」と考えるのが習慣になっていました。
ドキュメントの整理
開発者向けの新しいプロダクトを複数リリースするには、大量の新しいドキュメントが必要です。初期段階では、GitHub リポジトリ、Google Docs、Notion など、さまざまな場所に分散して書かれています。しかも、直前まで改訂が続くこともよくあります。今回のリリースも例外ではありませんでした。
Codex Cloud のおかげで、チームは分散したドキュメントを Codex に渡し、どのように分割してドキュメント全体に配置したいかを大まかに説明するだけで、残りの作業を任せられました。Codex はファイルを分割して MDX ファイルに変換し、必要なナビゲーション構造を整え、PR を作成しました。デプロイプレビューがあるので、その PR を各チームに共有してレビューや修正を進められました。
Codex がなければ、DevDay を控えた時期に、この作業だけで通常は何時間も、場合によっては何日もかかっていたでしょう。
後回しにしていたタスクへの対応
最後に、こんな経験は誰にでもあると思います。最優先の作業に取り組んでいると、やろうと思いながらも、ほかのことに気を取られて何度も後回しにしていたタスクを、突然思い出すのです。
DevDay 前夜も同じでした。私たちはリハーサルの合間を縫って、本番に向けた準備を進めていました。Katia はデモのリハーサルでステージに上がる準備をしていたとき、予定していた 404 ページの更新をまだ公開していないことに気づきました。
彼女はすぐに Codex Web で別のタブを開き、新しい developers.openai.com/404 を実装するタスクを Codex に送りました。その際、best-of-n 機能を使い、2 つの案を同時に作成させました。
Katia は 5 分後にステージに上がるまでの間に、Codex のプレビュースクリーンショットで 2 つの案をレビューし、ページを手早く確認して IDE 拡張機能で数か所を修正し、デザインを一新した 404 ページを公開することができました。

ここで紹介したのはほんの一部
Codex が DevDay をつくり上げるのにどう役立ったかだけでも、何時間でも話せそうです。私たち一人ひとりの日々の仕事をどう支えているかまで含めれば、なおさらです。ここでご紹介したのは、OpenAI 全体での Codex 活用のほんの一部にすぎません。
私たちの Codex の使い方やベストプラクティスをもっと知りたい方は、DevDay での Codex に関する講演やドキュメントをご覧ください。